人看護師の約8.8%が1年以内に辞めています。
100人いれば9人は1年目で転職しているという現実です。
あなただけではありません。
ただし、転職のやり方を間違えると後悔します。
5回転職して4回失敗した私が、1年目転職の正しい動き方を解説します。
看護師1年目で転職を考えている人へ
「1年目なのに転職したいなんて、甘えじゃないか」
そんな言葉で自分を責めていませんか。
私は看護師歴13年で5回転職しました。
最初の転職は25歳のとき。4年間の奨学金の縛りが終わった瞬間に飛び出しました。
そのあとも3回失敗を繰り返して、ようやく4回目で成功しました。
その経験から言わせてください。
1年目での転職は、判断の質さえ間違えなければ十分成功できます。
ただし、焦りから動くと必ず失敗します。
私がそうでした。
この記事では、1年目で転職を考えている看護師に向けて、リスクと対策、転職を成功させる具体的なステップを正直にお伝えします。
看護師1年目で「辞めたい」は普通のことです
まず、自分を責めないでください。
日本看護協会の2024年病院看護実態調査によると、2023年度の新人看護師の離職率は8.8%です。
100人いれば約9人が1年以内に辞めている計算になります。
また別の調査では、約8割の看護師が1年目に「辞めたい」と感じた経験があると回答しています。
つまり、辞めたいという気持ち自体はほとんどの1年目看護師が感じることです。
問題は気持ちではなく、その後どう動くかです。
1年目での転職、アリかナシか
結論から言うと、ケースによってはアリです。
ただし「アリかナシか」の前に、自分の状況を正確に見極めることが先決です。
転職を真剣に考えるべきケース
- ハラスメントや暴言が日常的にある——精神的な安全が確保されていない職場では、スキルがつく前に心が折れます。1年目かどうか関係なく、環境を変える判断は正しい
- 体調を崩し始めている——眠れない、食べられない、出勤前に涙が出る。身体のSOSサインは無視しないでください
- 奨学金の縛りが終わった——お礼奉公期間が終了しているなら、転職を躊躇う理由はありません。私自身がそのケースです
- 明らかに職場環境が劣悪——自分が悪いのではなく、職場が問題の場合があります。離職率が異常に高い職場はその典型です
もう少し待つことを検討すべきケース
- 「なんとなくつらい」だけ——1年目の忙しさやプレッシャーはどこに行っても一定期間は続きます。環境を変えても同じ壁にぶつかることがあります
- 奨学金の縛りが残っている——途中退職すると一括返済を求められる可能性があります。まず契約書の内容を確認してください
- まだ夜勤を経験していない——夜勤が始まる前に「夜勤がつらそうだから」と辞めるのは、まだ判断材料が揃っていない状態です
1年目転職の正直なデメリット
転職を考えるなら、デメリットも正直に知っておいてください。
①履歴書へのダメージは確実にある
1年目での転職は、採用担当者に「すぐ辞める人かもしれない」という印象を与えます。
これは事実として受け止める必要があります。
ただし、看護師の場合は他の職種よりこのダメージが小さいのも事実です。
慢性的な人手不足が続いているため、1年目の転職でも採用してくれる職場は十分あります。
②選べる転職先が限られる
「経験3年以上」を条件にしている病院は多く、1年目での転職は選択肢が狭くなります。
急性期の大病院・大学病院への転職は現実的に難しい。
ただしクリニック・訪問看護・介護施設・美容クリニックは経験年数より人柄・意欲を重視する傾向があり、1年目でも挑戦できます。
③スキルが途中で止まる感覚がある
1年目はちょうど「仕事の基礎が身につき始める時期」です。
このタイミングで環境を変えると、せっかく積み上げかけたものがリセットされる感覚があります。
これは避けられない部分もありますが、転職先で新しいスキルを身につける意欲があれば十分カバーできます。
奨学金の縛りがある場合の注意点
病院の奨学金制度(お礼奉公)を利用している場合、転職前に必ず確認すべきことがあります。
まず契約書の返済条件・期間・金額を今すぐ確認してください。
期間が終わっているなら、転職に何のためらいも必要ありません。
期間が残っている場合は、返済額と現在の貯金・収入を照らし合わせて現実的に判断しましょう。
私は4年間の縛りが終わるまで待ちました。
当時は「なぜこんなに縛られなければいけないんだ」という怒りがありましたが、今思えばその4年間で身についたスキルが転職後も役に立っています。
縛りがある場合は、期間終了後に動き始める準備だけ今からしておくという考え方もあります。
転職を成功させるための5ステップ
私が5回の転職経験から学んだ「失敗しない動き方」です。
ステップ①:転職する理由を言語化する
「つらいから辞めたい」だけでは、次の職場でも同じ壁にぶつかります。
まず紙に書き出してください。
- 何が一番つらいのか(人間関係・業務量・夜勤・給与)
- 次の職場に何を求めるのか(夜勤なし・残業少・特定の科目)
- 5年後どんな看護師になりたいか
書くことで頭が整理されます。
ステップ②:転職サービスに複数登録する
1社だけに相談するのは危険です。
私の最初の転職失敗の原因がまさにこれでした。
転職エージェントは求職者を病院に紹介することで病院側から紹介料を受け取るビジネスモデルです。
必ずしも求職者の利益を最優先にしているとは限らない。
最低でも2〜3社に登録して情報を比較することを強くおすすめします。
同じ求人でも、サービスによって得られる職場の情報量が全然違います。
ステップ③:条件を数字で整理する
「夜勤なし」「残業少なめ」のような曖昧な条件は危険です。
私は2回目の転職でこれに失敗しました。
手取り18万円という現実を、入職してから初めて知りました。
・手取りの最低ライン(例:手取り22万円以上)
・残業時間の実態(月何時間か)
・オンコールの有無と頻度(月何回か)
・夜勤の有無と回数
・離職率(直近2年分)
ステップ④:面接で自分から聞く
面接は「選ばれる場」だけでなく「選ぶ場」でもあります。
遠慮せず聞いてください。
- 「直近の離職率を教えてください」
- 「実際の残業時間はどのくらいですか?」
- 「1年目・2年目のスタッフはどのくらいいますか?」
- 「前任者が辞めた理由を教えてもらえますか?」
答えをはぐらかす職場は要注意です。
ステップ⑤:内定後も1週間は冷静に考える
「やっと内定が出た」という安堵感で即決してしまうのが最も危険なパターンです。
私はこれで3回失敗しました。
内定の返事は最低でも3〜5日、できれば1週間待ってもらいましょう。
その間に他のサービスで情報を再確認する。信頼できる人に話を聞いてもらう。
焦りは最大の敵です。
1年目看護師におすすめの転職先3選
経験が浅くても転職しやすく、かつ働きやすい職場を3つ紹介します。
①クリニック(内科・皮膚科・整形外科など)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 夜勤 | なし |
| 給与 | 病棟より低めになりやすい |
| 残業 | 少なめ(クリニックによる) |
| 1年目の受け入れ | 比較的しやすい |
| 注意点 | 院長のワンマン体制になりやすい |
私が2回目の転職で選んだのがこれです。
夜勤はなくなりましたが、給与の確認を怠って手取り18万円という現実を突きつけられました。
事前に給与と院長の人柄の情報を必ず確認してください。
②美容クリニック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 夜勤 | なし |
| 給与 | 高め(年収400〜500万台も) |
| 残業 | 少ない |
| 1年目の受け入れ | 教育体制があるクリニックならOK |
| 注意点 | 臨床スキルは身につかない・当たり外れが大きい |
私が最終的に落ち着いたのが美容クリニックです。
給与・夜勤・残業すべての面で急性期病棟時代より大きく改善しました。
1年目での転職を考えるなら、プリセプター制度など教育体制が整っているクリニックを選ぶことが重要です。
エージェントに「1年目でも受け入れてもらえる教育体制があるか」を必ず確認してもらいましょう。
③訪問看護ステーション
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 夜勤 | なし(オンコールあり) |
| 給与 | 高め |
| 残業 | 少なめ |
| 1年目の受け入れ | 教育体制があるステーションならOK |
| 注意点 | オンコールの精神的負担が大きい |
私は3回目の転職で訪問看護を選びましたが、オンコールを甘く見ていて失敗しました。
多い月は月8回呼び出されることもありました。
「オンコールが月何回あるか」「実際に呼ばれる頻度はどのくらいか」を必ず数字で確認してください。
まとめ:1年目の転職は「情報収集の質」がすべて
1年目での転職は、やり方次第で成功にも失敗にもなります。
- ハラスメント・体調不良・奨学金縛り終了なら転職を真剣に検討すべき
- 「なんとなくつらい」だけなら、もう少し整理してから動く
- 複数のサービスに登録して情報を比較する
- 条件は「数字」で確認する
- 内定後に1週間冷静に考える
私が5回の転職で身に染みて感じたのは、「焦りが最大の敵」だということです。
早く現状から逃げ出したくて、確認すべきことを確認せずに決めてしまう。
私はそれを繰り返しました。
今この記事を読んでいるあなたには、同じ失敗をしてほしくない。
まずは複数のサービスに登録して、じっくり情報を集めることから始めてみてください。
登録だけなら無料です。転職しないという選択肢も、いつでも残っています。
あなたに合った職場は、必ずあります。
— ミナ


