准看護師の転職は問題なくできる。給与だけは経験を元に交渉が必要になる

准看護師の転職は問題なくできる。給与だけは経験を元に交渉が必要になる

「准看護師だと、転職で不利なんだろうか」

資格のことが気になって、転職に踏み切れずにいる准看護師の方は多いと思います。
正直に言います。准看護師でも転職できる職場は十分にあります。
ただし、正看護師との違いを正確に把握した上で動くことが大切です。
正看護師として長く働いてきた私が、准看護師の転職事情を包み隠さずお伝えします。

まず知っておきたい:准看護師と正看護師の違い

転職活動を始める前に、この2つの違いをはっきり理解しておいてください。
「なんとなく不利そう」という曖昧な認識のまま動くと、判断を誤ります。

項目 准看護師 正看護師
資格の種類 都道府県知事免許(地方資格) 厚生労働大臣免許(国家資格)
業務の判断 医師・正看護師の指示が必要 自らの判断で実施できる
平均月給 約29万円 約35.7万円
年収差 正看護師との差は年間約100万円
管理職・リーダー 基本的になれない なれる
他の准看護師への指示 できない できる
訪問看護オンコール 担当できないステーションが多い 担当できる

厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査によると、准看護師の平均月給は約29万円、正看護師は約35.7万円です。
年収に換算すると、その差は約100万円にのぼります。

これは正直なデメリットとして受け止めてください。
ただし「転職できない理由」ではありません。

准看護師が転職しやすい職場4選

①介護施設・特養・老健

准看護師の採用が最も活発なのが介護施設です。

慢性的な看護師不足の中で、介護施設は資格の種類より「経験と人柄」を重視する傾向があります。
特養・老健・グループホームなど選択肢も豊富で、夜勤の回数を抑えやすい職場も多いです。

  • 夜勤:少なめ(施設による)
  • 給与:350〜450万円
  • 急変:少なく落ち着いた環境が多い
  • 准看護師への門戸:最も広い

②クリニック・診療所

准看護師を積極的に採用しているクリニックは多くあります。
業務が限定されていることが多く、「医師の指示のもとで動く」という准看護師の働き方との相性が良い職場です。

  • 夜勤:なし
  • 給与:280〜380万円(病棟より低め)
  • 業務:採血・点滴・バイタル測定中心
  • 注意点:院長のワンマン体制になりやすい

③訪問看護ステーション

准看護師を受け入れているステーションは増えています。
ただし注意点があります。

訪問看護と准看護師の注意点

法律上、准看護師は「医師・正看護師の指示のもとで動く」必要があります。
そのため、オンコール(夜間の緊急呼び出し)を担当できないステーションが多いです。
「訪問看護に転職したい」という場合は、入職前に必ず「准看護師でもオンコールなしで働けるか」を確認してください。
教育体制が整っていて、正看護師がサポートしてくれる体制があるステーションを選ぶのがポイントです。

  • 夜勤:なし(オンコールは要確認)
  • 給与:400〜500万円
  • 向いている人:患者さんと深く関わりたい・経験年数がある人

④保育園・学校

業務内容が体調管理・けがの処置・保護者対応など限定的で、准看護師でも問題なく勤務できます。

  • 夜勤:なし
  • 給与:280〜350万円(最も低い水準)
  • 向いている人:子どもが好き・給与より環境・安定を重視

准看護師が転職しにくい職場(最初から狙わない方が正解)

  • 大学病院・500床以上の大規模病院——正看護師のみ採用としているケースが多い
  • 急性期病棟・ICU・救命救急——高度な判断と自律性が求められる。准看護師の「指示が必要」という制約と相性が悪い
  • 美容クリニックの一部——正看護師限定の求人が増えている

「なぜ落ちたかわからない」となりやすいのが、こうした職場に応募してしまうケースです。
最初から狙わない戦略を取ることが、時間とエネルギーの無駄遣いを防ぎます。

准看護師が転職活動で気をつけること

求人票の「看護師」表記に注意

求人票に「看護師募集」と書いてあっても、実際は正看護師のみを指している場合があります。
応募前に必ず「准看護師でも応募できますか?」とエージェントか採用担当者に確認してください。

複数のサービスに登録して比較する

准看護師の求人はサービスによって保有数に差があります。
1社だけに登録すると「准看護師可の求人が少ない」という状況になりやすい。
2〜3社に登録して、各社の担当者に「准看護師でも応募できる求人を探してほしい」と明確に伝えることが重要です。

給与交渉は経験年数とスキルを根拠にする

准看護師というだけで給与を低く提示されるケースがあります。
「准看護師だから」ではなく、「〇年の経験があり、〇〇科での業務に習熟している」という具体的な根拠を持って交渉することが大切です。

正看護師を取得する選択肢も考えてみてほしい

「准看護師のまま転職するか」「正看護師を取得してから動くか」——これは多くの准看護師が悩む問いです。
正直にそれぞれのメリット・デメリットをまとめます。

准看護師のまま転職する

メリット:今すぐ動ける。介護施設・クリニックならほぼ問題なし
デメリット:正看護師との年収差(約100万円)は生涯続く。管理職・リーダーにはなれない

正看護師を取得してから転職する

メリット:転職先の選択肢が大幅に広がる。年収アップ・キャリアアップの可能性が開ける
デメリット:取得に時間と費用がかかる

取得ルート(通信制の場合):
・准看護師として7年以上の実務経験があれば通信制で取得可能
・期間:2年間(働きながら受講できる)
・費用:2年間で約90〜150万円(各種給付金・奨学金の活用で軽減できる)

判断の基準は「今後、何年看護師を続けたいか」です。

20〜30代なら、2年間かけて正看護師を取得するコストは十分に回収できます。
取得後の年収差(約100万円/年)を考えると、10年で1,000万円の差になります。

40代以降で「今すぐ転職したい」「残りのキャリアはそう長くない」という場合は、准看護師のまま転職するのが現実的です。

まとめ

  • 准看護師でも介護施設・クリニック・訪問看護への転職は十分可能
  • 大病院・急性期・美容クリニックは最初から狙わない戦略が正解
  • 求人票の「看護師」表記は必ず「准看護師可か」を確認する
  • 20〜30代なら正看護師取得を真剣に検討する価値がある(7年の実務経験があれば通信制で取得可能)
  • 准看護師でも選択肢は十分あります。まず動いてみてください

— ミナ

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